最近のESG投資状況!GSIA2018は?

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世界のESG投資の2018年統計が、GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)にて発表されていました。

内容をみて、今後の動きを考えてみましょう。

 

世界のESG投資状況

世界のESG投資の2018年統計が、GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)にて発表されていました。

こういうモノって、当然ですが、英語ですね^^;

英語が苦手な私には日本語で・・・

ということで、記載してある内容を抜粋してみました。

これは隔年報告書であり、第4版となっています。

そして、欧州、米国、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの地域の持続可能な投資フォーラムの市場調査結果を照合した唯一の報告書となっています。

 

ESG投資の市場規模

先ずは、市場規模を見てみます。

2018年の初めには、図1に示す5つの主要な市場で、30.7兆ドルに達しています。

2年間で7.8兆円ほど増えたんですね。

世界規模で34%も増加したことになります。

世界的に上昇をし続けていることが確認できます。

日本を見てみると、2年間で、4.6倍です。

図1:グローバルな持続可能な投資資産の概要、2016年〜2018年

グローバルな持続可能な投資資産の概要、2016年〜2018年

次の 図2にも示すように、日本は、過去2年間で最大の増加をしています。

持続可能な管理資産が300%以上の増加となっています。

他の地域でも増加し続けましたが、2014年~2016年間よりペースダウンしています。

図2:現地通貨2014〜2018年の地域別の持続可能な投資資産の成長現地通貨2014〜2018年の地域別の持続可能な投資資産の成長

しかし、図3に示すように、総管理資産に対する持続可能な投資の割合はほぼすべての地域で増加しています。

例外はヨーロッパであり、2014年以降、減少しています。

その理由の一つは、持続可能な投資のより厳しい基準と定義への移行と記載されていました。

図3:2014年から2018年までの総管理資産に対する持続可能な投資の割合

2014年から2018年までの総管理資産に対する持続可能な投資の割合

とは言うものの、ヨーロッパは、世界の持続可能な投資資産のほぼ半分で最高の割合を維持し続けていることが、図4で分かります。

一方、日本は2016年以降、先ほどからの資料からも分かるように、目覚ましい成長を見せています。

その他の地域の割合は、過去2年間ほぼ横ばいです。

図4:地域2018年までのグローバルな持続可能な投資資産の割合

地域2018年までのグローバルな持続可能な投資資産の割合

持続可能な投資戦略

図5に示すように、7つの投資戦略がありますが、世界最大の持続可能な投資戦略は、今もネガティブまたは排他的スクリーニング
(Negative/exclusionay screening)であり、合計19.8兆ドルほどの運用資産となっています。

次いでESG統合(ESG integration)で、過去2年間で69%成長し、17.5兆ドルの資産になています。

ネガティブスクリーニング(基準に満たないと排除するというもの)は、ヨーロッパ最大の戦略となっていますね。

ESG統合については、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが資産の大部分ですね。

一方、日本はというと、企業の関与と株主行動(Corprate engagement and shareholder action)も支配的な戦略となっています。

図5:戦略および地域2018年ごとの持続可能な投資資産

戦略および地域2018年ごとの持続可能な投資資産

図6をみてみると、

サステナビリティをテーマにした投資(Sustainability thermed investing)、

ポジティブまたはクラス最高のスクリーニング(Positive/best-in-class-screening)、

インパクトまたはコミュニティ投資(Impact/community investing)

の3つの戦略が、総資産では、はるかに低くなっていますが、過去2年間では、著しい成長を見せています。

2018年には、1.8兆ドルの資産にわたってポジティブスクリーニングが実施され、続いて1.0兆ドルの資産でサステナビリティをテーマにした投資、4,440億ドルの資産でインパクト/コミュニティ投資が行われていますね。

規範ベースのスクリーニング(Norma-baseed screening)は、これら3つの戦略の2倍以上の規模を維持していますが、2016年以降に減少した唯一の戦略であり、24パーセントの減少で資産は4.7兆ドルになっています。

図6:持続可能な投資戦略のグローバル成長2016〜2018

持続可能な投資戦略のグローバル成長2016〜2018

普及に関する地域的な違いは、図7で見ることができます。

まとめ方に、定義的な違いが含まれるようですが、いくつかの興味深い地域のバリエーションを見ることができます。

日本は世界の持続可能な投資資産の7%を保有していますが、企業の関与と株主行動に専念する世界の資産のはるかに大きな割合を占めています。

カナダは世界の持続可能な投資資産の6パーセントを占めていますが、規範ベースのスクリーニング戦略内の資産の17パーセントを占めています。

規範ベースのスクリーニングの4分の3以上がヨーロッパで行われていますが、米国はサステナビリティ投資、インパクト/コミュニティ投資、ポジティブ/クラス最高の投資、ESG統合で世界の資産の大部分を保有していることが分かります。

図7:持続可能な投資戦略2018のグローバルな使用における地域別シェア、資産額別

持続可能な投資戦略2018のグローバルな使用における地域別シェア、資産額別

グローバル市場の特徴

機関投資家および小売投資家

専門の資産運用会社が管理する投資は、大体が小売または機関投資家に分類されています。

このレポートが、これら2つの投資分類を区別し始めて以来、持続可能で責任ある投資に対する個人投資家の関心は着実に高まっているようです。

2012年には、機関投資家は資産の89%を保有していたのに対し、個人投資家は11%を保有していたそうです。

図8を見てみると、2018年の初めには、小売部分は4分の1に成長しいます。

図8:制度的および小売の持続可能な投資資産のグローバルシェア2016–2018

制度的および小売の持続可能な投資資産のグローバルシェア2016–2018

資産の配分

持続可能な投資は、図9に示すように、多様化した投資ポートフォリオで一般的に見られる資産クラスの範囲全体に広がっています。

資産の大部分は公開株式に割り当てられたようで、2018年の開始時点で51%。次に大きな資産の割り当ては36%の債券。

これは、資産クラスの配分について報告しているヨーロッパとカナダのみで、持続可能な投資資産の64%が債券に、33%が公的株式にあった2016年からの逆転とのこと。

2018年、不動産/不動産およびプライベートエクイティ/ベンチャーキャピタルは、それぞれ世界の持続可能な投資資産の3%を保有していました。

持続可能な投資は、ヘッジファンド、現金または預託車両、商品およびインフラストラクチャにも見られ、これらの資産は、「その他の資産」カテゴリに反映されているようです。

図9:地球規模で持続可能な投資資産配分2018

地球規模で持続可能な投資資産配分2018

地域のハイライト

各地域の報告が挙げられていますが、日本についてのみ記載します。

日本

前述のとおり、2016年から2018年にかけて持続可能な投資資産が4倍になりました。

国内の専門的に管理されている総資産のわずか3%から18%に成長しました。

この成長により日本は、欧州や米国に次いで持続可能な投資の第三の中心となっています。

国内の主要な持続可能な投資戦略は、企業の関与と株主行動であり、合計141兆円の資産によって展開され、続いて122兆円で実践されるESG統合が行われます。

過去数年間でいくつかの開発が日本の持続可能な投資市場の大幅な拡大を促進し、持続可能な投資の新しい段階を切り開いています。

1つ目は、安倍政権による民間投資の継続的な奨励ですね。

2017年の情報として、その経済成長戦略のほか、さまざまな政府機関による多くの具体的なイニシアティブを挙げてあります。

• 金融庁は、

日本のスチュワードシップコードを改訂し、スチュワードシップコードとコーポレートガバナンスコードを確認するためのフォローアップ会議を開催しました。

• 経済産業省は、

Ito Review 2.0をリリースし、企業と投資家の共通言語として機能するための協同価値創造に関するガイダンスを策定しました。

• 環境省は、

グリーンボンドガイドラインを制定し、統合された問題が提起しました。

ESGワーキンググループが実施する評議会で、持続可能性の問題に留意した投資を検討しています。

日本での持続可能な投資に対する意識の高まりに加えて、責任ある投資の原則の署名者となり、これらの原則に基づいて政策を推進するという2つの主要な機関資産所有者による決定がありました。

巨大な政府年金投資基金(GPIF)は2015年に署名し、年金基金協会は2016年に署名している。

GPIF(Government Pension Investment Fund)は、グローバルアセットオーナーズフォーラムやビジネスおよびアセットオーナーズフォーラムの設立などのイニシアチブを通じて、機関投資家がスチュワードシップとESG投資に真剣に取り組むように積極的に取り組んでいます。

機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業の調査の結果も実施し、公開しました。

2017年7月には、日本株の3つのESGインデックスを受動的に追跡し始めました。

選択された2つの指標は広範なESG基準に基づいており、他の指標は性別の多様性と女性のエンパワーメントに焦点を当てています。

11月には、グローバルな環境株価指数の申請を求めました。

 

結論

このレポートに示されているほぼすべての市場では、2016年の初めから2年間で、持続可能な投資は、絶対的および相対的な両方の観点で成長しています。

その結果、持続可能な投資は、カナダ、オーストラリアニュージーランド、ヨーロッパのほぼ半分、米国で26%、日本で18%。この成長は、持続可能な投資のビジネスケースに対する意識の高まりを反映しています。

米国、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドの資産運用会社は、地域調査において、持続可能な投資戦略を使用する主な動機は、リスクを最小限に抑え、長期にわたる財務パフォーマンスを改善することであると報告しました。

これはまた、ESG統合の持続可能な投資戦略がグローバルに広く展開されるようになった理由を説明しているのかもしれません。

2016年よりも2018年にこの戦略で管理されるグローバル資産が60%多くなります。

ネガティブスクリーニングと企業の関与が一般的で、多くの場合、5つの地域のそれぞれでのESG統合を補完する戦略となっています。

プラスの影響を探求することも重要としています。

米国とニュージーランドのマネーマネージャーの大半は、社会的および環境的利益を達成したい、または企業の使命を遂行したいという願望を仕事の要素として挙げました。

気候変動との闘い、環境問題への対応、または国連持続可能な開発目標の実施に関連する投資イニシアチブは、5つの地域全体で証明されました。

5つの地域で収集されたデータも、持続可能な投資にますますアクセスしやすいことを示しています。

持続可能な投資オプションは、資産クラス全体、および個人投資家に適したものを含む幅広い投資ビークルを通じて利用できます。

と、まとめられており、報告されています。

あと、参考として、レポートに用いられている用語を記載しておきます。

 

用語集

(BEST-IN-CLASS/POSITIVE SCREENING)
クラス最高/ポジティブスクリーニング:

業界の同業者と比較してESGのパフォーマンスを向上させるために、定義されたユニバースから選択されたセクター、企業、またはプロジェクトへの投資。

(CORPORATE ENGAGEMENT AND SHAREHOLDER ACTION)
企業のエンゲージメントと株主行動:

直接的な企業エンゲージメント(すなわち、上級管理職および/または企業の取締役会とのコミュニケーション)、株主提案の提出または共同提出、および包括的なESGガイドラインに基づく議決権行使を通じて、企業行動に影響を与える株主の力を活用します。

(ESG
ESG:
環境、社会、およびガバナンス-投資の管理と選択において、従来の財務基準とともに使用される持続可能な投資基準を指します。

(ESG INTEGRATION)
ESG統合:
投資分析による、財務分析への環境、社会、およびガバナンス要因の体系的かつ明示的な検討。

(IMPACT INVESTING)
インパクト投資:
社会的または環境的な問題の解決を目的としたターゲット投資。インパクト投資には、伝統的にサービスの行き届いていない個人やコミュニティに資本が特に向けられるコミュニティ投資、または明確な社会的または環境的目的を持つ企業に提供される資金調達が含まれます。

(INSTITUTIONAL INVESTORS)
機関投資家:
年金基金、保険会社、投資会社、財団、慈善団体、公的機関、大学など、一般的に多額の資金を管理する組織。

(NEGATIVE/EXCLUSIONARY SCREENING)
ネガティブ/エクスクルーシブスクリーニング:
特定のESG基準に基づく特定のセクター、企業、または慣行のファンドまたはポートフォリオからの除外。

(NORMS-BASED SCREENING)
基準ベースのスクリーニング:
OECD、ILO、国連、およびユニセフが発行したものなどの国際基準および基準の遵守に基づく投資のスクリーニング。規範や基準に準拠していない、または過重や過少の投資の除外を含めることができます。

(SRI)
SRI:
持続可能、責任、社会的責任、倫理的、環境的、社会的投資、および環境、社会、ガバナンスの問題を取り入れたその他の投資プロセスを含む総称。

(SUSTAINABILITY THEMED INVESTING)
持続可能性をテーマにした投資:
気候変動、食料、水、再生可能エネルギー、クリーンテクノロジー、農業などの特定の持続可能性の問題に取り組むテーマまたは資産への投資。

(SUSTAINABLE INVESTMENT)
持続可能な投資:
環境的、社会的、ガバナンスの要素が財政的考慮と組み合わされて、投資の選択と管理を導く投資へのアプローチ。

 

ABOUTこの記事をかいた人

かれっと

普通のサラリーマンで、あと数年で定年を迎えるおじさんです。 中学生のころから吹奏楽でトラペットを吹き始め、大学ではジャズオーケストラに所属、社会人になっても大学生時代に知り合った仲間とバンド活動を続け、官庁から表彰されたことがあります。今後も皆さんに喜ばれる活動を続けていきたいと思います。 仕事では、衛生管理も任されているので心のケアにも接しています。 サラリーマンは、みんな辛い思いをしているんです^^;