麒麟がくるは嘘?動物キリンの名前由来の伝説とは?

麒麟

2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」が始まりますが、実際に上野動物園に中国の神話に登場する霊獣の「麒麟がくる」という嘘の伝説があります。

動物のキリンは英語名でジラフといいますよね。

なぜジラフにキリンと名前が付けられたのか?

いろいろな伝説があるようですが、名前の由来の嘘と真実は何なのか気になったので調べて行きます。

実は論文が出ているくらい奥深いものがあるようです。

歴史を調べ、簡単に由来の真実をご紹介して行きます。

最後までお楽しみください。

 

目次

麒麟がくるは嘘?

キリン

飲料メーカーにもキリンがありますが、そのサイトには、麒麟麦酒株式会社創立の1907年、上野動物園にキリン「英語名はGiraff(ジラフ)」が来て、その時に和名として「キリン」と定められたと記されています。

そして、一説には、この時の上野動物園の園長であった石川千代松(動物学者)が国家予算を獲得するため、ドイツからジラフを麒麟と騙して購入したという逸話があるとされています。

確かにネットを調べると主流の説となっており、麒麟が日本に届いた2か月後に石川千代松は責任を取って依願退職したとか、解雇されたとか出ています。

そして、日本に初めて来た麒麟はつがいでしたが短命で、1908年1月にメスのグレー、2か月後の3月にはオスのファンジが死亡しています。

ところが、麒麟と名付けられたのはその時ではなく、論文によると違うみたいですよ^^

まぁ、普通に考えて、国がそんなことに騙されて、予算の7倍で、現在の価値に換算して1億円で購入するなんてありえません。

実際、上野動物園はキリン人気で大繁盛し、結果的には儲かったそうで、表彰ものです(笑)

中国の霊獣の麒麟が来るは大ウソで、国を騙して輸入したというのも少し違うようです。

面白そうなので、さらに詳しく調べてみました。

 

日本人が最初に麒麟をみたのはいつか?

実は、江戸時代の1862年に幕府は文久遣欧使節として38名をヨーロッパに送っています。

その時、ロンドンの他、ロッテルダム、アムステルダム、ベルリン、パリの各都市の動物園を見ています。

そして、初めて生きたキリンの実物を日本人が見たのは、ロンドン動物園となっています。

記録には、「ジラフ」(キリン)に「之猟猢」(ジラーベ)という字をあててあります。

 

麒麟の剥製が上野動物園に展示されていた?

日本に初めて生きたキリンが来たのは先ほどの通り1907年ですが、その前の1882年には、剥製のジラフが田中芳男氏によって入手され、上野動物園内の博物館に展示されています。

その時には、既に麒麟と名付けられています。

なので、一般的にキリンとして認識は既にされていたと思われます。

もう完全に、生きた中国の霊獣だと国を騙して「麒麟が来る」としたお話しは大ウソですね(笑)

でも大ウソは、ちょっと言い過ぎで・・・

その時の購入の経緯がまずかったのです。

石川氏は予算もないのにドイツの動物商(カール・ハーゲンベック)と交渉成立させてしまったのが原因だそうです。

そこで石川氏は、giraffeではなく、キリンとして説明したが、実際に宮内省が許可をしていないのにキリンが来た事態となったので、責任を取らされたようです。

石川さん、アウト~!

 

動物のキリンに付けられた名前の由来の伝説とは?

上野動物園に剥製の麒麟が展示されてた時点で、一般的に認識されていたと思いますが、最初に麒麟と名付けたのは誰で、いつごろなのでしょう。

 

なぜ実在のキリンを「麒麟」としたのか?

ヨンストンジラフ図

ヨンストンジラフ図
(木村陽二郎監修「ヨンストン「動物図説」図版集成」より)

桂川国瑞麒麟図

桂川国瑞麒麟図
(日本博物学事始-描かれた自然Ⅰより)

ジラフに麒麟という文字が当てられた記録は何があるかを、更に遡ってしらべると、江戸時代でした。

1799年ごろに描かれた「麒麟図」というものがあります。

描いたのは、桂川甫周国瑞ですが、当然、実物の麒麟を見たことはありません。

ですので、ヤン・ヨンストンの「動物誌」を見て描いたと言われています。

図をみるかぎり、間違いなく首の長い実在するキリンと言えますね。

 

なぜ「ジラフ」を「麒麟」としたのか?

でも、なぜ見たこともない首の長い動物のジラフに麒麟という文字を当てたかですね。

蘭学者の中では、前述のヨンストンジラフ図により、既に中国の神話の霊獣でなく、実在する首の長い動物がいることを認識されていました。

そして一般的に認識されるようになったのは、1798年の森島中良の「蛮語箋」の「獣」の中に麒麟と記載し発刊していることが一役買っているとされています。

そして、森島中良は桂川国瑞の実の弟だそうです。

その森島中良が発刊は、非常に流布したそうです。

なので、間違いなく、実在するキリンが日本人に一般的に認識されたのは、江戸時代の1798ごろからと言って良い気がします。

 

まとめ

今回は、2020年の大河ドラマ「麒麟が来る」が始まりますが、なぜ動物のキリンに麒麟という名前が付けられたのか?その由来の伝説を調べてみました。

そして、上野動物園に中国の神話に登場する霊獣が来るという嘘のお話しもご紹介しました。

名前の由来を調べると、いろいろな伝説がありましたが、江戸時代のヨンストンジラフ図がきっかけで、1798年ころに首の長い実在する生き物として一般的に知られるようになったようです。

嘘の話も交えながらのキリンについての簡単なご紹介でしたが、お楽しみいただけたでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。