消防法の危険物貯蔵や取扱い規制・制度・義務は?概要まとめ紹介

火災

消防法上の危険物の第四類(引火性液体)を貯蔵、製造または取扱う場合に知っておくべきことがあります。

その規制、制度、義務などをまとめる機会があったので、更に抜粋して、概要としてのポイントをご紹介します。

特に企業は知らなかったでは済まされませんよ!

しっかりと、消防法上の危険物を、貯蔵または製造や取扱う場合は、それに関する規制や制度、そして義務を把握しておくことが大切です。

その概要をまとめてみましたので参考になれば幸いですので、ご紹介致します。

 

目次

消防法の危険物を貯蔵や取扱う事業所が知っておくべきこと

消防法でいう危険物のうち、第四類(引火性液体)を扱う場合に知っておくと良いことをまとめる機会がありましたので、更にそれを抜粋し、超簡単にまとめてみました。

参考にしていただけると嬉しいです。

 

消防法の目的

どんなルールでも、先ずは目的を知ることが大切です。

消防法の目的は以下の3つです。

  1. 火災の予防・警戒・鎮圧により国民の生命・身体・財産を保護する
  2. 災害による被害を軽減する
  3. 災害等による傷病者の搬送を適切に行う

因みに火災とは、人の意図と反するか、放火によるもので、消火の必要性がある燃焼現象であり、消火施設を必要とすることとされています。

 

消防法の危険物の貯蔵・取扱いに関する規制の概要

指定数量以上の危険物の貯蔵・取扱いは、製造所、貯蔵所又は取扱所以外の場所で行ってはならない。

 

各種任命者とは

個々の危険物施設に法的責務がある危険物保安監督者が任命されている

総務省消防庁は、危険物を取り扱う方々の危険物の保安に関する意識の高揚及び啓発を推進している。

 

消防法の体系

防火についての法律は、消防の作用に関する基本法である消防法であり、法律を執行するために必要な事項や法律の委任に基づく事項は、すべて政令、省令に定めてある。

消防法体系図

 

消防危第203号の概要

《事故の定義》

(ア)重大事故

1つ以上の評価指標で、深刻度レベルが1となる火災・流出事故

(イ)軽微な事故

全ての評価指標で、深刻度レベルが4となる火災・流出事故

消防災害レベル表

 

消防法の危険物の規制や制度の概要

規制の区分

許可

指定数量の倍数が1以上

  1. 製造所(1種類)
  2. 貯蔵所(7種類)
  3. 取扱所(4種類)

 

承認

指定数量の倍数が1以上

仮貯蔵、仮取扱い

(10日以内)

 

届出

条例で定められた指定数量の倍数以上

少量危険物貯蔵取扱所

 

遵守

条例で定められた指定数量の倍数未満

一般家庭の石油ストーブ等

 

(参考)第四類の指定数量

危険物

 

危険物取扱者制度の概要

危険物の取扱いは、免状を持つ危険物取扱者が行うか、それ以外の者が取り扱う場合には危険物取扱者の立会いが必要

危険物取扱者表

(注1)指定された危険物:ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のものに限る。)、第四石油類、動植物性油

(注2)危険物施設において6箇月以上の実務経験が必要

 

危険物取扱者の義務と違反の概要

危険物取扱者の保安講習受講義務

下記の受講期限以内に危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。
(法第13条の23)

危険物取扱者講習義務

 

違反と行政措置

危険物取扱違反と行政措置

危険物取扱者に対する行政措置

危険物取扱者に義務・責務の不履行や故意により消防法違反があった場合

危険物取扱者免状の返納命令(点数制度で運用)

点数制度の概要

① 基礎点数 違反行為の内容に応じて決められており、複数の違反があればその合計が基礎点数になる

② 事故加点 違反行為に起因して、危険物の流出・火災等の事故、人身事故が発生した場合に事故点数を基礎点数に加算

 免状返納命令 過去3年以内の違反点数を累積して措置点数を算定し、20点に達したとき免状を交付した都道府県知事が免状返納命令を行う。⇒ 聴聞実施

事故点数

危険物取扱者の違反行為と事故が因果関係を有する場合に当該事故の程度に応じ点数を加点

違反行為の種類1 違反行為の種類2 違反行為の種類3

危険物取扱者の違反行為と事故が因果関係を有する場合に当該事故の程度に応じ点数を加点

事故の程度表

 

危険物に関する規制・制度・義務の逸脱と思われる事故等の概要とまとめをご紹介

事故発生状況を見てみると、危険物施設の事故原因に占める人的要因、所謂ヒューマンエラーの割合は、火災では、60~70%、漏えいでは、40~50%となっています。

事故の低減には、人的要因に係る事故を減らということが、ポイントです。

つまり、管理不十分、誤操作、確認不十分、監視不十分 などを減らすことです。

労働災害でも、約90%は人的要因と分析されていて、そのうちの約80%は、ルールの逸脱です。

つまり、労働災害の大半は、労働者自らが犯す「ルール違反」によって起きている!

人って、そういうもんなんです。

ということはですよ、ルールの逸脱以外の不注意や誤認、誤判断、失念などで人がミスをしても大丈夫なように設備設計するというのは、大事なことなのですが、100%防げたとしても、僅かだということになります。

ターゲットは、人の意識!
残りは、相互啓発で防げば、現状の災害の90%が防げることになります。

最後は人となります。

でも、そこが一番難しいところなんですよね^^;

 

まとめ

今回は、消防法上の危険物の第四類(引火性液体)を貯蔵、製造または取扱う場合に知っておくべき規制、制度、義務などをまとめた概要をご紹介しました。

所定の量(指定数量)以上であれば、当然ですが、所定量未満であっても遵守することが求められています。

特に企業などは、知らなかったでは済まされないし、違反としての行政措置がありますので、守りましょう。

まとめた概要を参考に、しっかりと消防法上の危険物を貯蔵、または製造や取扱う場合は、それに関する規制や制度や義務を把握しておきましょう。

かなり絞って簡潔にしたご紹介ですので、不十分なところもありますが、参考になれば幸いです。