トロンボーンの難しいソロ曲でもかっこいい奏法のおすすめ名手ビル・ワトラス

ビル・ワトラス

トロンボーンはスライド式の単純な構造ですが、逆に耳が良くないと音程をとるのは難しい楽器です。

でも人の声に近い音域であることや、スライド式であることを利用すれば、ソロなどでかっこいい奏法をいろいろ使えるなどのメリットがあります。

トロンボーンにとって難しい曲でも、おすすめ曲でも、そのかっこいい奏法を使って難なく聴かせてくれる名手がたくさんいます。

ジャズの世界でも特出すべきテクニックをもったプレイヤーがたくさんいます。

今回は、ジャズ界で特におすすめしたい名手ビル・ワトラスをご紹介したいと思います。

ビル・ワトラスはすでに他界してしまい、残念で仕方ありませんが、すばらしい曲とソロ演奏で以てご紹介したいと思います。

 

目次

トロンボーンのおすすめ名手ビル・ワトラスとは?

これまでトランペット奏者を多く紹介してきました。

ジャズトランぺッターの第一人者や、個性派トランぺッター、天才と言えるトランぺッターや、最高のテクニックを持つトランぺッター等々ですが、それは、私がトランペットを吹くからでした^^;

でも、今回はトロンボーンのテクニシャンと言えるおすすめ名手をご紹介します。

それは、ビル・ワトラスです。

ビル・ワトラス

残念なことに、2018年7月2日にこの世を去りました。

早いもので、もう1年以上も前の出来事なんですね。

 

トロンボーンのおすすめ名手、ビルワトラスとの出会い

ビル・ワトラス氏には、過去に私の所属バンドにも、何度かゲスト出演して頂きました。

日本だけでなく、モンタレー・ジャズ・フェスティバルに参加した時にも、予定がなかった筈なのに、ツアー途中に参加して頂いたことがあります。

ほんと、良い人なんです。

その時、日本の地元テレビ記者もずっと同行してたような・・・

年を取ると、そんなことも忘れかけています(T_T)

記憶が曖昧なのですが、どこかの西海岸の高校で演奏したとき、突然来てくれた気がします。

なのでリハもなしで、演奏です。

以前に日本でやったことがあったので、その曲をやった記憶があります。

 

トロンボーンのかっこいい奏法より気になるエピソード

その高校生の前での演奏で、バンドメンバーの女性トランぺッターがソロを取ったのですが、なぜか男子高校生が騒ぎ出す。

どうもキュートに見えたらしいです(笑)

演奏が終わったら最後に、高校の先生が、「日本人は、年齢より若く見える。彼女はもう社会人なんだ」

というようなことを言ってたな(笑)

ライブが終わると、吹奏楽部の生徒だと思いますが、日系の女の子が我々のところに来て嬉しかったのか、はしゃいでいました。

いきなり楽器を出して吹き始めたりして、ちょっとパニック状態でした(笑)

話しが、大分それましたが、ビル・ワトラス氏は、突然参加してくれるとてもいい人なんです。

 

トロンボーンのかっこいい奏法のご紹介


そして、ワトラスの奏法で思い出すのは、和音を出す奏法です。

どうやるかと言うと、吹いている音に対し、例えば3度の音を声で出す。すると倍音による和音が聞こえます。

トランペットでもやってみましたが、マウスピースが小さいので、声がうまく伝わらず、また音域が声と馴染まず、いまいちです。

諦めました(笑)

ですが、トロンボーンはちょうどよいみたいです。

その技術が入った演奏は、以下です。

Bill Watrous Trombone “Live” in London Straight no Chaser 1982

突然、和音が聞こえてきます。

低音から高音まで、トロンボーンの柔らかい音を自由に吹きこなしています。

いろいろな吹き方の人がいますが、吹ききるタイプでなく、コントロール重視だと思います。

ソリストにぴったし!

そして唯一のタイプのトロンボーン奏者だったと思います。

 

名手となる所以は、練習時間にあったのか?

一流のトロンボーン奏者の中でも、特別だと思いますが、ビル・ワトラスは、来日するとすぐにホテルに入り、先ず、することがトロンボーンを吹く!

同行していた方から聞きました。

そして、ツアー中も、ホテルに戻れば、またトロンボーンをずっと部屋で吹いているそうです。

疲れることもないし、飽きることもないんですね。

プラクティスとしてやっているのか、根っからのトロンボーン好きなのか分かりませんが、やっぱり一流の人は次元が違いますね。

でも、ホテルの部屋でトロンボーンを吹いて、”うるさい!”という苦情がでなかったんでしょうね(笑)

それだけ、耳障りでなく、心地よい音を出していたんでしょう^^

 

トロンボーン名手ビル・ワトラスとのライブ後の打ち上げにて


実は娘さんはプロダンサーで、日本人のドラマーと結婚しているんです。

ライブが終わって、お酒を飲みながら話を聞いていると、娘さんの話になり、東北の方でがんばっている。

相当、苦労していると言っていました。

(たぶん、宮城県)

やはり娘のことは気になるというか心配なんですね。

そして、お孫さんが、シンガーソングライターの井手綾香さんです。

当然、そんな話題だけでなく、いろんなミュージシャンのことを話してくれました。

はじめてゲストで共演させて頂き、生で音を聞いたときは、トロンボーンという楽器のイメージが完全に変わりました。

それほどインパクトのある奏者だったと思います。

そして、訃報を知った時、我々のバンドは、彼を偲んで、タイガー・オブ・サン・ペドロをライブで演奏しました。

もうこの世にいないことが、改めて残念に思います。

老いには勝てないものでしょうか。

 

まとめ

今回は、ジャズトロンボーン奏者の名手、ビル・ワトラスでした。

ご紹介したおすすめのソロや曲はいかがでしたか?

ちょっと難しい曲ばかりだった気がしますが、彼にかかれば、難しい曲も簡単に聴こえてしまいますね^^;

トロンボーンのかっこいい奏法というより体の一部となって歌っている感じなのかもしれません。

もう二度と聴けない、ライブ演奏でのビル・ワトラスの超かっこいソロとテクニックを存分に出す奏法を思い出します。

まだまだおすすめしたい名手の演奏がたくさんあるのですが、今回はこの辺でということにして、次回はドラマーのテクニシャンをご紹介したいと思います。

読んでいただきありがとうございました^^